STORY50年前の60分

小学生の頃、地元で万博があった。
もちろん花博でもエキスポ70でもない、愛・地球博だ。
大阪の２つの万博の頃、わたしはまだ生まれていない。

でも父親は、
わたしが愛・地球博に行ったのと同じ年の頃、エキスポ70に行ったらしい。
そしてわたしは今、50年後のここ大阪にいる。
別にそんなことを考えながら来たわけではないのだけれど、
あのおっきな顔を見ていると、そんなことを思い出した。

うん、50年前の人たちに思いを馳せる休日も悪くない。
役者たるもの、感受性を養うことが重要だ。

こんにちは

そう、わたしは役者をやりたくて大阪に来たのだ。

なんとなく東京よりも、自分に合っている気がした。
それに今の時代、発信はどこからでも出来る。

意外と売れているのよ、わたし。

うーん、50年前のもののような気がする。
知らんけど。

大阪の人はやたら「知らんけど」って言う。
めっちゃ長々と説明した後にも「知らんけど」って言う。
なんで!?

エキスポタワーの一部!

これは間違いなく50年前のもの。
これって未来の住宅をイメージして作られたんだって。
知ってる。父親の受け売りだけど。

こっちに来てから、円形の舞台で芝居をしたこともあったな。
ここでは当時何が演じられてたんだろう。

今ではUSJやディズニーで待ち時間には慣れっこになってるけど、
昔はこんなに待つことって他にあったのかな。

ソ連館の『月の石』なんて、1日がかりで並んだらしい。
50年前の60分も、今の60分も、60分は60分。
あ、でも今はスマホやゲームだってあるから、
意外とすぐに経っちゃうんだよね。

そういえばスマホがない頃は、電車の中でなにしてたっけ?

次の万博も成功するといいけど。

とゆーか、万博のお仕事ください。
どうしてまだ私には声がかかっていないんだ。

わたしも50年後に名を残したいぞ。